つれづれにっき

つれづれなるままに。てけとーに。クソブログです。

私だけが成長できないでいる

彼女は浮いた子だった。

クラスのほぼ全員から嫌われていたと思う。

化粧はすべて足し算で、チークが濃すぎておてもやんみたいだなっていつも思ってた。リップも、全然似合っていなかった。

前髪は薄くて長く、べったりとしていたし、授業中、好きな歴史上の人物の話になって思わず興奮し、発狂しだしたことは衝撃的すぎていまでも思い出す。

本当に、変わっている子だった。

 

けれど、とても純粋で優しくて面白い子だった。

困っていたら助けてくれるし、正直者過ぎて嘘がつけないし、好きなものことにはとことん熱心に話すところや、ときたま見せるブラックな一面も好きだった。

よく、空気が読めなくて先生に余計なことを言わないか、クラスのみんなをヒヤヒヤさせるのも、私は面白かった。

ご飯やカラオケ、プリクラを撮ったりする普通の友達だった。やべーなこいつと思う時も確かにあったけど、なんで皆そこまで嫌うかなと思っていた。

 

卒業後、連絡を取り合い遊びに行った。半年ぶりにみる彼女はキラキラしていた。

化粧は相変わらず濃かったけど、ちょっと少女チックな服装も、丸くて赤いノンホールピアスも、彼女に似合っていた。落ち着いた雰囲気に少しびっくりしたけど、話すと学生時代の彼女のままで安心した。

 

それから、またすぐ会おうね。といったもののお互い忙しく、1年くらい経ってから、彼女から連絡がきた。

新卒で入った会社を辞めて非正規で働いているだとか、セフレがいたけど今は10歳以上離れた彼氏がいるだとか。適当に返信していたけど、ほぼのろけ話だった。1年も連絡を取っていない友達に、そんなディープな話までする?なんて少し思ったりもしたけど、彼女は「そういう子」と思っているので、なんだかんだ元気そうでよかったと思った。

 

ただ、なんというか。

 

一瞬、変わっちゃったな。って思ってしまった。一瞬でもそう感じた自分の幼さにショックを受けた。

 

彼女は何も悪くない。むしろ、変わっているのが当たり前だ。学生の時とは、住んでる場所も環境も全然違う。そもそも、彼女に限ったことではないのだ。恋人がいたり、結婚したり、子どもがいたり、同棲していたり。それにたいして、変わっちゃったな。なんて馬鹿みたいなことを思ってしまう自分がとても恥ずかしい。皆が変わったのではなく、お前が変わらなすぎんだよ、と。

 

 

周りがとても大人にみえる。

人をちゃんと好きになったことがない。この人と付き合いたいと思ったことがない。人を好きになるってなんですか。楽しいんでしょうか。

血迷っていろいろやってみた時期があったけど、好きになれなかった。その時に、あ~私やっぱり一生恋愛とは無縁かも!!と諦めてしまった。一度もキュンともならず、興奮もなく、心が微動だにしなくて最早笑えた。愛情や友情は湧くが、好きが未だにわからない。

 

そんなこんなで、わたしはこれからも、幼いままな気がする。今後、ふとした時に過去の思い出に縋った自分が垣間見えて、同じ感情を抱いてしまうかもしれないけど、そのたびに折り合いをつけていくしかないと思う。

 

私だけが成長できないでいる。